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千葉大学

当初は他社のネットワーク機器を提案されたのですが、技術的に代わり映
えしないなと思っていました。メーカーの担当者にその旨を伝えると、ア
バイアのネットワーク機器を提案され、その機能の説明を受けて「これだ!」
と直感しました。
 
課題
●運用開始から6年が経過した旧ネットワーク環境の機器の
故障が多くなった
●ネットワーク構成変更に手間がかかる
●ネットワーク構成が複雑化
●思ったとおりに負荷分散が機能しなくなった
効果
●コアスイッチが止まってもネットワーク全体に影響しない構成
●期待どおりの高いパフォーマンス
●末端や周辺のスイッチの故障の減少
●障害発生時のトレーサビリティ向上2
 
 
 「人間の尊厳と先進医療の調和を目指
し、臨床医学の発展と次世代を担う医療
人の育成に努める」という理念に基づき、
先進医療の開発と実践に取り組み、患
者の意思を尊重した安心・安全な医療の
提供を目指す千葉大学医学部附属病院。
1874年の創設以来、人間性豊かな優れ
た医療人の育成と、社会・地域医療への
貢献を推進している。
 20147月には、従来の外来診療棟
の南側に新しい外来診療棟(地上5階、
地下1階建:延べ18,342平方メート
ル)を開院。新しい設備や診療空間に加
え、臓器別外来、高齢者医療センター、
糖尿病コンプリケーションセンターなど
の新たな診療体制を確立し、患者のQOL
Quality of Life)に配慮した診療に取
り組んでいる。
 千葉大学 企画情報部 副部長である鈴
木隆弘氏は、「現在も病院施設の再開発
は続いており、従来の外来診療棟も改修
中です。改修後には、患者支援センター、
検査部、整形外科、遺伝子診療部、地域
医療連携部、薬剤部などを配置し、新し
い外来診療棟と合わせて機能します」と
話す。
 病院の特長は、地域の基幹病院であ
り、大学の教育・研修病院であり、災害
時の拠点病院でもありと、いろいろな役
割を兼ね備えた病院であるということ。IT
活用の面では、1978年より病院情報シ
ステムを導入してデータを蓄積している。 
鈴木氏は、「日本でもっとも古い病院情報
システムであり、データの蓄積量も世界
トップレベルです」と話している。
4つの問題を抱える      
旧ネットワーク環境
 千葉大学医学部附属病院のネットワーク
環境は、その上で電子カルテを中心とし
た病院情報システムが24時間365日稼
働していることから、ネットワークが止まら
ない高い可用性がもっとも重要な要件だっ
た。しかし、これまで運用していた旧ネッ
トワーク環境には、大きく4つの問題があ
り、早急な改善が必要だった。
 1つ目の課題は、平成20年に運用を開
始した旧ネットワーク環境が6年を経過し
たことから、機器の故障が多くなり運用に
支障をきたしてきていたこと、2つ目はバー
チャルLANVLAN)を広範囲に導入して
いるため、障害や変更において中間経路
スイッチの停止がサブネット単位に影響し
てしまい広範囲に影響することに加え、ネッ
トワーク構成や変更に手間がかかってしま
うこと、3つ目は耐障害性を重視した設計
を施したため、ネットワーク構成・設計が
複雑化したこと、4つ目は迂回経路のトラ
フィック制御などで、負荷分散が期待して
いるレベルまで機能しなかったことだ。
 石井氏は、「ネットワークの一部に障害
が発生すると、その影響がネットワーク全
体に波及してしまう問題がありました。リ
アルなネットワークであれば、物理的に分
かれているので影響範囲は限られるので
すが、VLANなので思わぬところに影響
が出てしまい、ネットワークが止まってし
まうのです」と言う。
 また、大平氏は、「1つひとつの機器
が故障しても、ネットワーク全体としては
動き続ける設計にはなっているのですが、
それでも問題は発生していました。また、
発生した問題の原因をトレースすることも
難しく、なかなか原因にたどり着けないと
いう課題もありました」と話す。
 さらに現在、病院施設の再開発中であ
ることから、ネットワーク環境の設定変更
が多く、容易にネットワークを移設・変更
できる柔軟性も重要だった。石井氏は、「あ
部門が別の建物に移ると、それに伴い
ネットワークも移設しなければなりません。
そこで可用性と柔軟性を両立したネット
ワーク環境が必要でした」と話している。
外来診療棟の開設に合わせ   
新ネットワーク環境を稼働
 千葉大学医学部附属病院では、2012
年の夏ごろから新しいネットワークの構想
を練りはじめ、切り替え時期をいつのタ
イミングにするかも含めて検討を開始。 
その後、2013年より、新しいネットワー
ク環境の仕様策定をスタートした。当時
の状況を木村氏は、次のように振り返る。
 「ネットワーク分野で新しい技術が登場
しても、本当に必要な技術なのかを判断
することが困難でした。そこで新しい技術
が、どのような機能で、どのような効果
が期待できるのかを数社のメーカーの担
当者にヒアリングする勉強会を開催しまし
た。その中から半年以上かけて、必要な
ネットワーク構成を組み立てていくという
プロセスを踏みました」
 ネットワークの仕様が固まると、2013
9月に入札を行い、その結果、アバイ
アのイーサネット・ファブリック・ソリュー
ション「Fabric Connect」の採用を決定。
旧ネットワーク環境も活用しながら、新し
いネットワーク環境を構築し、外来診療棟
の開設の1カ月前である20146月に本
番稼働している。
 アバイアのネットワーク機器の第一印象
を木村氏は、「当初はイーサネット・ファブ
リックであるという話を聞いていたので、
通常のイーサネット機器よりも、ワンラン
ク、ツーランク上だというイメージがあり
ました。そのため高価で導入はできない
だろうと思っていました」と話す。
 さらに木村氏は、「これまでイーサネッ
トは、点と線のつながりというイメージで
した。アバイアのネットワーク機器は、ネッ
トワークが面で広がるイメージなのが非
常に魅力的でした。また病院は再開発中
でもあり、ネットワークの設定変更が多い
ので、イーサネット・ファブリックの特長で
もあるスイッチの追加や移設の自由度が
高いこと、スイッチの設定・変更の容易性
にメリットが大きいと感じました」と語る。
 一方、鈴木氏は、「当初は他社のネット
ワーク機器を提案されたのですが、技術
的にこれまでのものと代わり映えしないな
と思っていました。メーカーの担当者にそ
の旨を伝えると、アバイアのネットワーク
ソリューションの提案を受けました。そこ
で機能の説明を受けて“これだ!”と直感し、
そこから実現性と技術要件の検討につい
て、再度、広範囲にベンダ調査を進めて
いきました」と話している。
コアスイッチが故障しても   
動き続けるネットワーク
 新しいネットワーク環境は、アバイア
ネットワーク機器でバックボーンを構築し、
中央集線スイッチ(コアスイッチ)と中間
経路用スイッチが10ギガで接続されてい
る。アバイアのネットワーク機器は、リン
グ構成を交えたフルメッシュ型のスイッチ
構成になっており、バックボーンから末端
スイッチに2ギガ(1ギガ×2)でつながっ
ている。
 ネットワーク構成は、旧ネットワークの
仕様を一部踏襲しつつ、今回、機器を新
しいものに入替え、さらに弱点だった部分
を強化した。一般的には、コアスイッチと
中間経路スイッチの間に冗長性を持たせ
ることが多いが、中間経路スイッチを冗長
化し、さらにハブ&スポークとリングを組
み合わせたメッシュ型を実現しトポロジー
の制約から解放されると共に、G/Wを含
めた経路の全てを冗長化した構成である
ところがアバイアのネットワーク機器なら
ではの仕組みである。
 鈴木氏は、「以前よりネットワークを止
めないというコンセプトに基づいて、通信
経路を多く確保することができるメッシュ
構造にこだわっています。ですが、以前、
コアスイッチが2台とも故障してしまったこ
とが現実にありました。そのため、2台で
冗長化していれば大丈夫であるとはとて
も思えなくなってしまいました」と話す。
 さらに、「そこで考えたのが、現在アバ
イア機器によって実現しているネットワー
ク構成でした。この構成により、もしコア
スイッチが2台とも止まってしまっても、ネッ
トワーク全体にはまったく影響を及ぼさな
い構成を実現できました」と話している。
障害のトレーサビリティ    
向上に期待
 新しいネットワーク環境を構築したこと
で、パフォーマンスは期待どおりに向上し
た。また可用性に関しては、止まってみな
いと分からない面もあるが、いまのところ
問題なく稼働している。石井氏は、「稼働
してあまり時間が経っていないので、本当
の効果を感じられるのはもう少し先になる
と思います」と語る。
 また大平氏は、「障害のトレーサビリティ
が向上することを期待しています。イーサ
ネット・ファブリックにより、障害の絞り込
みが容易になると良いと思います」と話す。
 千葉大学医学部附属病院には長い歴史
があり、増改築を繰り返してきたために、
VLAN複数の建物にまたがっている。
そのため以前は、1つの障害が広い範囲
に影響を及ぼす要因になっていた。今回、
アバイアイーサネット・ファブリック・ソ
リューション「Fabric Connect」を利用
することで、障害を限定的なものに押さ
え込むことを可能にしている。
 大平氏は、「1つの問題がネットワーク
全体に波及することは、今後は減るので
はないかと思っています。たとえばネット
ワーク機器の電源工事がある場合に、棟
ごとに送電が止まる場合、新しいネットワー
ク環境では、VLANの構成にとらわれず
工事が必要な棟のみネットワークを止める
ことが可能になりました」と話す。
 今後の取り組みについて木村氏は、「次
にどのようなネットワーク構成にするかは、
もう少し先で考えなければならないのです
が、直近では病院の改修が進むので、そ
れに合わせてネットワークを構築していく
ことが必要です。そのときに効率よく、ま
た全体のバランスを見ながら進めていか
なければなりません。ただ現状では、非
常に満足しています」と語る。
 また鈴木氏は、「パフォーマンスと可用
性に関しては問題ないので、今後は管理
性やコスト面の効果を測定していきます。
そのほか、テレビ会議をしたい、外部と
つなぎたい、マルチキャストを取り入れた
いなどの要望がありますが、相手の仕様
もあることなので検討の範囲に止めてい
ます。こうした面のサポートを、今後アバ
イアには期待しています」と話している。
 
 
| 能地 將博(Masahiro Nouchi) | Partner Sales.| Avaya Japan Ltd. | 
Voice/Fax +81 3-5575-8674 | mnouchi@avaya.com