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ナンパ

 初対面の女性に声をかける「ナンパ」という行為は、他人に対する壁がとかく厚い日本において、非常に難易度の高い交渉事のひとつと言えます。
「カワイイ女の子と遊びに行きたい」という要望をいとも簡単に通してしまう凄腕のナンパ師たちは、普段どのような説得術を使っているのでしょうか。

 今回は渋谷を中心に活動する元営業マンでナンパ好きライター、私なべおつが実践している説得術をご紹介します。ビジネスにも活用できるテクニックですので、ぜひともチェックしてみて下さい。

説得とは、どれだけ”納得感”を積み重ねられるか。

 人を説得するのにもテクニックが必要です。ポイントは相手にどれだけ多くの納得感を与えられるか。一つの納得感で満足せず、怒涛の納得感を与えられる手腕が身につけば、説得の成功率は格段に高められます。

 では、どうすれば多くの納得感を与えるのか、その切り口を紹介しましょう。

納得感を与えるための8つのポイント

1. 相手のニーズに応えることが大前提

 自分の要望を通すことだけ考え、相手の発言に耳を傾けられない姿勢では、相手を説得することはできません。相手のニーズを聞き出す、もしくは察知して、それに応えることを前提とつつ、自分の要望との交差点を見つける視点が重要です。

 端的に言えばWin-Winの道を探るということですが、そのためにはまず相手のWinを理解することがマストなのです。

 これはビジネスでも同様で、契約を成立させるには、いかに相手を出し抜いて自分の取り分を大きくするかを考えるよりも、相手のメリットになることを土台としつつ、その上で自分のメリットを最大化させる道を探るのが良策です。

2. 相手の言葉を肯定する

「相手の要望に応える姿勢」を見せるには、まず相手の言葉をしっかり受け止め、肯定してあげることが重要です。

 ”受け止める” とは、「そうなんだ!」「なるほど!」「へぇ〜!」のように、相手の発言に対して前向きなリアクションをとること。”肯定する” とは「確かに!」「そうだね!」「それ分かる!」のように、文字通り肯定的な言葉を指します(ビジネスの場ではこれを丁寧語にしましょう)。

 仮に相手の考えに反対だったとしても、出だしから「いや」「違う」「それはない」のような否定的な言葉を使ってしまうと、相手の気分を盛り上げることができません。反対意見を述べる場合も、一旦相手の言葉を受け止めることが大切です。その上で「こういう考え方もありえるかな?」のように切り出せば、否定語を使わず自分の意見を伝えることができます。

 まったく否定語のない会話は雰囲気が前向きになり、提案を受け入れてもらいやすくなることに気づくでしょう。

3. 相手が断る理由をなくす

 相手のOKを引き出すには、断る理由を一つずつなくしていくのが有効です。

 たとえば「このあと予定がある」と言われれば、「ほなせっかくなんでそれまでの時間、一緒にヒマつぶし飲みに行きますか!」と言ったり、「終電が近い」と言われれば「ほな終電までの一時間一本勝負で飲みに行きましょう!」のように返してみます。
 このとき、「つまらなかったら途中で帰りたい発言しちゃって全然大丈夫なんで!」とか「もちろんご馳走します!」のように、相手の不安要素を取り除いたりメリットのある提案をプラスすると、ますます断る理由がなくなっていきます。

相手の女性からしたら、「次の予定まで時間があって、相手の男は(イケメンじゃないけど)盛り上げる自信がありそうで、つまらなかったら途中で帰ってよくて、しかもおごり」となれば(イケメンじゃないこと以外に)断る理由がありませんので、許容してくれる可能性が高まるのです。

4. 「文脈」を作って提案する

 ナンパの場合、声をかける相手とは初対面ですので、意図的に「共通の文脈」を作ることで距離を縮めやすくします

 文脈を作るというのは、そのときの状況やお互いの立場を言語化し、「なぜ今、飲みに行こうと誘っている(誘われているのか)」をはっきりさせるということ。この文脈が納得できるものであるほど、相手は受け入れやすくなります。

 例えば22時頃にスーツ姿で疲れ気味に歩いているシラフの女性を見つけたら、「お姉さん遅くまでお仕事お疲れ様です!こんな遅くまで頑張ったご褒美に今から一杯だけ私と美味しいビール飲みに行きませんか!?」のようにアプローチします。
「仕事帰りで疲れているからビール飲みにいこう」という文脈を言語化して共有することで、先方は「今一緒に飲みに行くこと」に納得しやすくなるのです。

 ビジネスの場でも、初対面の営業先で「御社の商品は昔からずっと愛用してまして」とか「実は御社には私の友人が勤めてるんですよ!」のように、共通の文脈を伝えるだけで距離が縮まりやすくなります。

5. 相手のメリットを言語化する

 相手のメリットを具体的な言葉で表すと、成功率はさらに高まります。特に、相手が気づいていないようなメリットであれば、より納得感を与えることができますので成果に結びつきやすいです。

 例えば雨の日に終電で帰ろうとしてるホロ酔い気味の女性がいたら、「ビショビショでギュウギュウの電車でストレス感じながら帰るより、私のおごりで始発まで飲み明かした方が絶対有意義だと思いません?」のように言ってみます。

 相手が自ら思い浮かべるメリットではないでしょうが、こうして言葉にされると、「確かに雨の日の満員電車で帰る憂鬱さを考えたら、タダで朝までお酒飲めるほうが楽しいかも・・・」という想像が促され、納得しやすくなるのです。

6. 大げさに表現する

 提案の魅力やメリットを大げさに表現する(盛る)ことで相手の期待度を高め、提案を受け入れてもらいやすくなります。
 なぜなら、ナンパでは仮にウソでもどれだけ楽しそう、ついて行ってみたいと思わせられるかが成功率を左右するからです。ただし、ウソつかれた、騙されたと感じさせてしまうと逆効果なので、冗談ととらえてもらえるよう極端に大げさにすることがポイントです。

 たとえば相手から「どこに飲みにいくの?」と聞かれたとき、「うーん、どこでもいいから適当に入ろうよ」と言う人と、「私オススメの渋谷イチ、ビールがうまいオシャレ居酒屋がありまして、実はお姉さんのために既にそこ差し押さえ済みなんです!」と言う人では、明らかに後者のほうが、付いて行ったら面白そうと思ってもらえることでしょう。

「冗談」にとってもらえるテンションで言っておけば、仮にフツーのお店でフツーーのビールが出てきた場合でも笑い話にできます。こうした適当なノリはナンパでは喜ばれることが多いのです。

 仕事の場での使い方には注意が必要ですが、自分が本当に自信のあるものについてであれば、大胆に表現することが逆に頼り甲斐や安心感を与えることにもつながります

7. 限定感を出す

 これはビジネスでもよく使われるテクニックです。「限定感」を出すことで「いま相手の提案を受けないともったいない(かもしれない)」と思わせることができます。

 たとえばナンパで会話が数分続いたとしましょう。相手としては「無視するのも心苦しいからなんとなく話を合わせただけで、連絡先を交換するつもりはない」と思っていたとしても、「せっかくここまで仲良くなったのにもう金輪際会えないのって寂しくない!? 念のため連絡先だけ交換しておきましょうよ!」のように、「今ここで交換しないと二度と会えないかもしれない」という限定感を出すことで受け入れてもらいやすくなります。

「ランチタイム限定!」「学生限定!」「会員様限定!」のように至るところに「限定」が溢れているのを見ると、実際に効果があることは一目瞭然です。

8. 相手を優位に立たせる

「見ず知らずの男について行って、イヤな目にあったらどうしよう」という不安は、ナンパをされる女性の誰もが持っています。だからこそ、いかに女性の方が優位にあると思わせられるかが重要なのです。

「もし盛り上がらなかったら1時間で切ってそっこー帰っちゃっても大丈夫なので!」のように、あくまで選択権は相手にあって、自分たちが無理矢理拘束することはないという姿勢を見せると、相手に安心感を与え、OKをもらいやすくなります。

 通販やWebサービスでよく見る「1ヶ月無料で利用いただけます!不要と感じたら退会すれば費用はかかりません!ぜひ試してみてください!」というアプローチと同様ですね。

「調子のいいこと言っておいて実はぼったくろうとしてるんじゃないの?」という不信感は、初対面の相手からは特に抱かれやすいものですが、このように相手の方が優位にいることを示すことで安心感を与えることができます。

まとめ

 冒頭で書いた “納得感を積み重ねる” とは、つまりこれら8つのポイントをできるだけ多くコンボさせるということです。どれか一つだけではパンチが弱く大した印象を残せませんが、8つ全てを使いこなすことができれば他のナンパ師との差別化になり、成功率も高まります。

「なんでかわからないけどこの人と話してると妙に納得しちゃう」と思わせる手腕の背後には、こうしたテクニックが隠されていたのです。

 ぜひナンパでもビジネスでも実践してみて、その効果を味わってみて下さい。


Thanks, Masahiro Nouchi   -Sent from my iPhone