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こんにちは。赤井誠です。
前回のコラムから、私が学んできた銀行の考え方をお話ししています。前回は、資産と負債についてお話ししました。お忘れになった方はこちらをご覧ください。

・リタイア前に気をつけた決算書( 1 ) 

今回は以下の残りの3つと定性面の評価についてお話ししたいと思います。
・役員借入金
・黒字
・債務償還年数


● 役員借入金

多くの方が役員借入金を計上されていると思います。何も考えないと、短期借入金として処理しがちなのですが、こちらは長期借入金としておいたほうが無難です。

その方が固定長期適合率( 固定資産÷( 純資産+固定負債 ) )が低くなり( 低い方が良い指標です )、銀行からみた法人の信用格付は上がると思います。

銀行によっては、短期借入金にしておいてもこちらにまわしてくれることもありますが、新規の銀行などは機械的にチェックすることもあるので、できるだけこのような処理にしましょう。

● 黒字

これは、当然といえば当然なのですが、銀行は赤字の個人事業主や会社には融資しにくいといえます。

ただ、太陽光発電の一括償却のように一時的な償却によって赤字になったとしても、ある程度取引があれば問題はないようです。その分はきちんと説明することで差し引いて評価してもらうことができます。

ただ、こちらも役員借入金と同様、新規の取引などの時には機械的にはじかれてしまったり、第一印象が良くないということもありますので、そのような点も含めて赤字はなるべく避けたほうが無難でしょう。

● 債務償還年数

これは、有利子負債を全額返済できるまでに、何年かかるかという指標です。とても重要な指標で融資先の格付レベルが決定される項目です。簡単にいうと、返済能力を示す指標です。

( 短期借入金+長期借入金-役員借入金 )/( 当期利益+減価償却費 )

という方法で計算します。

役員借入金は無利子の場合がほとんどで有利子負債とはなりませんので、借入金総額から控除します。当然ながら、債務償還年数は短ければ短いほどいいですね。

不動産以外の法人では5年以下が優良法人ですが、不動産関係の法人としてはどうしても借入金が大きくなりますので、10年以内は正常、15年でぎりぎり、それ以上では要注意先として認識されるようです。

要注意先となるというのは、その法人の利益やキャッシュフローの割には借りすぎであるということです。

銀行は不動産賃貸業を良く知っているわけではありません。物件の積算評価の考え方からしても、私自身、銀行が好む不動産経営者になることが良いこととは思いません。

しかし、融資に頼りながら不動産経営を進めている以上、決算書や事業計画などは銀行が望んでいるかたちにしていくことがひとつの重要なテクニックであることは間違いないと思います。

これらが、定量面での評価です。もう一つの重要な評価項目である定性面の評価ですが、こちらは都市銀行から地銀・信金など身近な銀行になればなるほど、重視してくる傾向があります。

■ 定性面の評価

定性評価とはまさにその人、その法人そのものの評価です。
経営者自身のお金の考え方や経営方針がどうなっているのか? 普段の生活態度や行動力はどうなのか?

すなわち、本人がどういう考え方で不動産経営に取り組んでいて、リスクに対してはどう考え、どういう対策をほどこしているのか。

サラリーマンの方であれば、預貯金や地位はどうなのか? それを得たあとの普段の生活態度はどうなっているのか?

ある程度の期間サラリーマンを続けていれば、当然持っているだろう金融資産もしくは自宅。それがなければ、浪費家と思われても仕方ないですね。

また、融資のお願いや決算書を提出するときには、常に今年の結果の分析とそれに対する今後の対応をきちんと考えているか?

来年の収益予測とそれに対する実行計画など、この辺をきちんとポジティブな考え方で説明できるかどうかなどは、その経営者の定性的な評価をする上ではとても大事なポイントです。

不動産の場合は、何千万・何億のお金を利用して経営をしますので、お金に対してきちんとした人であるということを認識してもらうことは本当に大切です。そして、銀行サイドから見ても無理のない計画できちんと経営拡大していけるかどうか納得してもらうことが大切ですね。

以上、説明いたしましたが、不動産経営にとって融資は非常に重要です。銀行の考え方を知ることで、是非、多くの方に強力な経営基盤を作っていただきたいと思います。

2013年11月29日掲載


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